2018年10月29日月曜日

定年70歳時代にどう生きるか

定年70歳時代がやってくる

先日、高齢者が希望すればこれまでより長く働けるように、企業における継続雇用を65歳から70歳にする方針が政府から出されました。これを「70歳まで働かされる」ととらえるか「70歳まで働くことができる」ととらえるかによって全く受け止め方や意見は違うと思いますが、要はシニア世代の生き方に選択肢が増えて、人生が多様化していくということなのだと思います。

いわゆる団塊の世代と呼ばれる今の60代、70代の方々は元気な方が多いです。日本の戦後の経済成長を支えてきた人たちですから、チャレンジ精神も旺盛で、かつ多くの経験やノウハウを持っています。こうした経験が欲しいという企業と、自分の経験を活かしたいという人にとっては、双方にとってメリットのある話ですが、中には企業に必要とされる仕事ができない人(スキルや経験不足)や病気などで物理的に働くことができない人もいるので、そのあたりを社会保障の観点から考える必要はありますね。

今の段階で言えることは、
・60歳を超えても企業に必要とされる人材になるための経験を積む
(吉田:AIにやられないようにしないと、、、)
・健康寿命を延ばすために生活習慣病に気を付ける
(吉田:甘いもの控えて、幽霊会員になってるフィットネス行かないと、、、)
・70歳まで年金が出なくても生活できるように資産形成する
(吉田:仮想通貨ってどうなんだろう?、、、)
ということを意識しなければいけないということでしょうか。


団塊の世代の意欲がすごい

当社のサービスは60代以上のお客様に多くご利用いただいています。60歳で定年後現役を退いて年金生活に入る時代であれば、
・年金収入なので格安に行きたい
・時間はあるので平日でも大丈夫
を意識したプランを用意する必要がありますが、65歳/70歳定年時代の今は前提が徐々に変わりつつあるように感じます。簡単に言えば、今の60代は忙しいし、それなりの収入がある。宿でゆっくり食事をしたい人もいれば、温泉地を歩き回って地元の居酒屋を楽しみたい人もいる。こうした多様なニーズにこたえられるようにプランを組み立てないと、いずれ飽きられてしまいます。

もうひとつ注目すべきは、60代70代のスマホ普及率です。モバイル社会研究所が発表しているモバイル社会白書によると、60代の56%、70代でも31%がスマホを所有しているそうです。60代では、この3年で20ポイント以上上昇して、半数以上がスマホを利用しています。団塊の世代のチャレンジ精神がこういうところにも表れていますね。インターネットとスマートフォンは世界を大きく変えています。それに伴って、消費者のニーズもめまぐるしく変化している。そのことを意識しながらサービス展開をしていく必要があるということです。

当社では、プロジェクトディスカバリーと称して、新しいお宿を続々増やしています(新着宿はこちら)。従来の1泊2食だけでなく、1泊朝食や素泊まりなどのプランも充実させ、多様化する旅のニーズにこたえられるような準備も進めています。また、ホームページのリニューアルに伴って、スマートフォンサイトの充実、スマホアプリの提供なども進めてきました。社内での様々な新しい試みに目が回りそうになる人もいるかもしれませんが、シニア世代の生活や志向がこの何年かで大きく変わってきていることを考えると、こうしたサービス変革を加速しなければと改めて感じます。

団塊の世代、アクティブシニアと呼ばれる人たちのチャレンジ精神や意欲的な生き方には敬服します。私たちもしっかりと変化をとらえて、チャレンジしていきましょう!


あとがき

①週末に子供を連れて、ヤマト運輸の羽田クロノゲート見学に行ってきました。全体を通じて宣伝色が強いのですが、ベルトコンベアの上をものすごい早さで荷物が流れ、自動的に配送先ごとに仕分けられる様子は一見の価値ありです。小学校高学年~くらいがいいかも。

②私は銀座線で通勤していますが、少し前から黄色いレトロな車両が走り出しましたね。丸の内線でも来年から昔懐かしい真っ赤な車両が走るらしいです。今のこどもたちは懐かしいというより新しいという感覚でしょうが、親世代に懐かしいと思わせることで、子鉄とその親の両方を巻き込もうという作戦ですかね。

2018年10月15日月曜日

食を通じてその土地を知る -ガストロノミーツーリズム



ガストロノミーツーリズムとは

先日「日本海美食旅 新潟シンポジウム」に参加してきました。そこで、「ガストロノミーツーリズム」という旅のスタイルを知りました。ガストロノミーツーリズムとは、「その土地を歩きながら、その土地ならではの食を楽しみ、歴史や文化を知る」旅のスタイルで、すでに欧米では普及している旅のスタイルだそうです。

旅の主目的を「食」においている私としてはとても興味深いテーマなわけですが、訪日外国人消費動向調査において、訪日前に最も期待していることの第1位が「日本食を食べること」であることからすると、これは私だけの個人的な価値観なのではなく、今後の日本の観光ビジネスにおいて、とても重要なテーマではないかと感じています。


無形文化遺産「和食」は料理そのものではなく食文化に対する評価

和食がユネスコ無形文化遺産に登録されて5年が経ちますが、それをきっかけに海外でも日本食に対する興味や魅力が増してきていると感じます。この文化遺産としての和食ですが、どのような観点で評価されたものか知っていますか?

農林水産省のホームページには、
南北に長く、四季が明確な日本には多様で豊かな自然があり、そこで生まれた食文化もまた、これに寄り添うように育まれてきました。このような、「自然を尊ぶ」という日本人の気質に基づいた「食」に関する「習わし」を、「和食;日本人の伝統的な食文化」と題して、ユネスコ無形文化遺産に登録されました。
とあります。
つまり、文化遺産としての和食を楽しむということは、単に寿司やてんぷらといった料理の味を楽しむだけではなく、その料理の背景となる食文化を味わうということなのだと思います。食文化はその土地によって大きく異なることから、やはりその土地で、旬の季節に、背景となる歴史や文化、風土などを感じながら食べるということが大切なんでしょうね。まさにこれが、ガストロノミーツーリズム。


ストーリーがあるから食べて感動できる

今は流通が進化しているので、日本中の美味しいものを東京で食べることができます。でも、東京で〇〇料理のお店に行って、〇〇でとれた野菜です、魚ですと言われて食べても、普通に美味しいと感じるだけ。やはり、その土地を歩きながら、その食材が美味しく育つ気候を肌で感じ、その食材の調理法を歴史や文化とともにストーリーとして聞きながら食べることで、感動が何倍にもなるはずです。

そうしたストーリーをメディアとして伝え、お客様がその土地でガストロノミーツーリズムに行きたいと感じられる。そんなお手伝いがしたいなと感じました。皆さんも、出張や旅行に行った時には、ぜひその土地の食文化を意識して感じてみてください。食べる楽しみ、旅の楽しみがぐっと増してくることでしょう。


あとがき

①新潟では、2018年~2020年にかけて「新潟・庄内ガストロノミー 日本海美食旅」と題したディスティネーションキャンペーンを実施しています。このホームページ、見てるだけでヨダレもんです。新潟は南北に広いので、多くの地域にわかれていて、その地域ごとに色々と食文化が違うことが分かります。新潟は食の街なんですね。

②私はレバーが苦手なのですが、先日イタリアンレストランでおまかせでパスタをお願いした際に苦手な食材を聞かれたのですが、まさかレバーのパスタはないだろうと思って、ありませんと答えたら、なんとビンゴでレバーパスタが登場。レバーのパスタなんて食べたことある??

別のイタリアンレストランで②の話をテーブルでしていたら、お店の方が、「ちょっと小耳にはさんだのですがレバーがお苦手なんですか? 内臓全般お苦手でしたらトリッパなどを前菜盛り合わせから外しますが。」と言ってきました。素晴らしい気遣い!