2018年10月15日月曜日

食を通じてその土地を知る -ガストロノミーツーリズム



ガストロノミーツーリズムとは

先日「日本海美食旅 新潟シンポジウム」に参加してきました。そこで、「ガストロノミーツーリズム」という旅のスタイルを知りました。ガストロノミーツーリズムとは、「その土地を歩きながら、その土地ならではの食を楽しみ、歴史や文化を知る」旅のスタイルで、すでに欧米では普及している旅のスタイルだそうです。

旅の主目的を「食」においている私としてはとても興味深いテーマなわけですが、訪日外国人消費動向調査において、訪日前に最も期待していることの第1位が「日本食を食べること」であることからすると、これは私だけの個人的な価値観なのではなく、今後の日本の観光ビジネスにおいて、とても重要なテーマではないかと感じています。


無形文化遺産「和食」は料理そのものではなく食文化に対する評価

和食がユネスコ無形文化遺産に登録されて5年が経ちますが、それをきっかけに海外でも日本食に対する興味や魅力が増してきていると感じます。この文化遺産としての和食ですが、どのような観点で評価されたものか知っていますか?

農林水産省のホームページには、
南北に長く、四季が明確な日本には多様で豊かな自然があり、そこで生まれた食文化もまた、これに寄り添うように育まれてきました。このような、「自然を尊ぶ」という日本人の気質に基づいた「食」に関する「習わし」を、「和食;日本人の伝統的な食文化」と題して、ユネスコ無形文化遺産に登録されました。
とあります。
つまり、文化遺産としての和食を楽しむということは、単に寿司やてんぷらといった料理の味を楽しむだけではなく、その料理の背景となる食文化を味わうということなのだと思います。食文化はその土地によって大きく異なることから、やはりその土地で、旬の季節に、背景となる歴史や文化、風土などを感じながら食べるということが大切なんでしょうね。まさにこれが、ガストロノミーツーリズム。


ストーリーがあるから食べて感動できる

今は流通が進化しているので、日本中の美味しいものを東京で食べることができます。でも、東京で〇〇料理のお店に行って、〇〇でとれた野菜です、魚ですと言われて食べても、普通に美味しいと感じるだけ。やはり、その土地を歩きながら、その食材が美味しく育つ気候を肌で感じ、その食材の調理法を歴史や文化とともにストーリーとして聞きながら食べることで、感動が何倍にもなるはずです。

そうしたストーリーをメディアとして伝え、お客様がその土地でガストロノミーツーリズムに行きたいと感じられる。そんなお手伝いがしたいなと感じました。皆さんも、出張や旅行に行った時には、ぜひその土地の食文化を意識して感じてみてください。食べる楽しみ、旅の楽しみがぐっと増してくることでしょう。


あとがき

①新潟では、2018年~2020年にかけて「新潟・庄内ガストロノミー 日本海美食旅」と題したディスティネーションキャンペーンを実施しています。このホームページ、見てるだけでヨダレもんです。新潟は南北に広いので、多くの地域にわかれていて、その地域ごとに色々と食文化が違うことが分かります。新潟は食の街なんですね。

②私はレバーが苦手なのですが、先日イタリアンレストランでおまかせでパスタをお願いした際に苦手な食材を聞かれたのですが、まさかレバーのパスタはないだろうと思って、ありませんと答えたら、なんとビンゴでレバーパスタが登場。レバーのパスタなんて食べたことある??

別のイタリアンレストランで②の話をテーブルでしていたら、お店の方が、「ちょっと小耳にはさんだのですがレバーがお苦手なんですか? 内臓全般お苦手でしたらトリッパなどを前菜盛り合わせから外しますが。」と言ってきました。素晴らしい気遣い!