2021年1月31日日曜日

オフィスは創造的雑談の場

リモートワークに足りないものは?

リモートワーク中心の働き方が始まってもうすぐ1年が経とうとしています。当初は不慣れな環境の中でオフィスと同じように作業を前に進めることで精いっぱいでした。PCやネットワークなどのインフラを整え、仕事のフローも簡素化したりペーパーレス化を推進したりしてきました。そして、Teamsを使ったリモート会議やチャットでの仕事の進め方にも慣れてくると、仕事の進め方がどんどん合理的になってきました。通勤時間もなくなり、家事や家族時間との両立ができるようになる。子供が学校に行っている時は作業に集中できる。会議は事前に資料共有したりチャットでフォローすることで設定された時間内で終わるようになった。リモートワークも悪くないな、そう感じている人も少なくないと思います。それと同時に、寂しさや不安を感じたり、「何か足りない」と思う人も増えていますよね?


非言語コミュニケーションの役割

リモートワークの課題はコミュニケーションの量と質であることは明らかです。私は特に”非言語コミュニケーション”と”雑談”の欠落が大きいと感じています。

人は会話をしている相手の表情や動作といった非言語コミュニケーションによって言葉のやりとりを補完しています。自分の話に相手が相槌をうってくれたり、笑顔で聞いてくれていることが分かれば、共感してくれているんだなと安心して最後まで伝えることができる。ジェスチャーを交えて話しているのを見ると熱量や本気度を感じ取ることができる。相談事やネガティブな報告をする時に自分と目を合わせてじっくり聞いてくれることで相手を信頼することができる。リモート会議の参加者全員が画面をオンにしてお互いの表情が明瞭に見えればいいのですが、人数が多いとネットワーク環境が追いつかずフリーズしてしまうこともしばしばあります。そもそも、カメラと画面の位置がずれるので目が合わないですよね。そのため、非言語コミュニケーションがうまく機能せず会話をしても何か不安になったりもやもやとした感覚になってしまうのでしょう。リアルな会話ではいかに五感をフル活用してコミュニケーションをとっていったかということがわかります。


雑談はひらめきをうむ

また、リモートワークでは偶然の出会いをきっかけにしたコミュニケーションがありません。
エレベータや廊下でばったり会った同僚と「最近何してる?」と話しかけたり、
偶然部下の席の後ろを通りかかった時に「あの作業は順調?」と声をかけたり、
会議後に何人かで残って「さっき〇〇さんが話してた件だけど・・」と気になるところを話したり、
その後のランチで冗談半分で思いついたアイディアが結構現実的だったり、
席が近い人たちで週末の出来事を話をしていたらチームメイトの意外な趣味がわかったり、
リモートではそういういことがなくなりました。

会議と会議の合間にふと発生する何気ない雑談が、仕事の理解を深めたり、フォローアップになったり、アイディアやひらめきをもたらしたり、人と人の心の距離を縮めたりします。このハンドルのあそびのような雑談が組織の一体感や新しい発想を生み出していたんですね。リモートワークによって雑談が消えることで、ただ淡々とひとりで仕事を進めているような感覚がして、心の繋がりを感じにくくなっていると思います。


リモートの課題をクリアしてゆこゆこらしいハイブリッドモデルを目指そう

リモートワークを実施している会社では皆同様にこうしたコミュニケーション課題を抱えています。リモートワークに移行できた会社、コロナ禍で素早く環境適応できた会社だからこそ新たな課題に直面しているということがいえると思います。コレだという解決策があるわけではありませんから、まずは個々に思いついたアイディアを色々と試してみましょう。私が思いつくのは、

・少人数の会議ではカメラをオンにする
・時間に余裕があれば会議が始まる少し前に接続して会議前の雑談の場とする
・うなづきやジェスチャーなどを少し大げさにしてみる
・何か意見はありますか?と漠然と聞かず、具体的に誰かを指名して意見を求める
・部会などではファシリテーターを持ち回りにして会議のはじめの1~2分をアイスブレイク(場の雰囲気をなごませる)の時間とする
・メール、Teams、Yammerなどで積極的に発信したりコメントしたりする
・YammerってFace Bookみたいで何かもっと活用できる気がする
・リモートにおいて偶然の出会いはないので、10分程度の雑談時間をあえて作る
(ランチ、ティーブレイクという名目でチームメイトやメンバーを誘うのもGood)
・ちょっとした成功事例をメンバー、部内、社内で共有して称えあう
・画面ではなくカメラを見ると相手には目が合っているように見えるらしい(こちらは合わないけど。。。)

世界的IT企業であるGoogleのCEOも、「どのような状況でも、人々が集まるための物理的な空間が絶対に必要だと考える。リモートワークを2021年9月まで継続するものの週3日は出勤することを義務付ける。」としてハイブリッドモデルの働き方を発表しました。私も同感です。緊急事態宣言下においては極力出社しないなど感染状況に応じたガイドラインは設けるものの、社員が一体感・安心感を感じることができる場所、アイディアやひらめきを生み出す創造的雑談をする場所としてのオフィスは絶対に必要です。同時に、コロナ禍のような非常事態だけでなく個々の社員のライフワークバランスを考慮してもリモートワークのメリットは十分にあります。当社でもリアルとリモートのハイブリッドモデルを推進していきたいと思います。そのためにも、いま感じているコミュニケーション課題を少しずつクリアしていきたいですね。

現在並木オフィスは1フロアを返却したうえでフリーアドレス(自由席)とし、新しいコミュニケーションプレイスとしてうまれかわるためのプロジェクトをスタートしています。これまでリモートワークを実施してきたからこそわかる”オフィス空間に必要な機能”を盛り込んで、ゆこゆこならではのワークスタイルをつくりあげていきましょう!アイディアがあれば身近なプロジェクトメンバーにどんどんインプットしてくださいね。


あとがき

①スマートフォンのGoogleアプリのGoogle Lens(画像検索)がとても便利。検索ワード入力欄のマイクのアイコンの隣に□の中に・がはいったようなアイコンがあります。これをおして写真をとると、その画像に関する情報を検索してくれます。気になる雑貨や洋服、知らない植物、美味しそうな食べ物、、、メガネのようなウェアラブル端末を通して見たものに関する情報がすぐにわかるという時代も近そう。

②長男の受験の合格祈願に行った時のこと。
妻:「手を洗うところ(お参り前の手水舎)どこかしら?」
私:「・・・」キョロキョロ
次男:「あそこにあったよ!」
指さす先にあったのは「お手洗い」の文字

③会議前のアイスブレイクの参考に
https://nazotoki-concierge.com/column/team-building/202010092895/