2019年3月24日日曜日

地元の”日常”をアピールして温泉地の魅力を伝えよう

温泉地が抱える課題

最近温泉地の方々と話をしていて感じるのは、地元の人たちがその地の魅力に気づいていないことが多いということ。地元にとっては当たり前のことであっても、県外からの旅行者にとっては、珍しかったり、感動したり、素晴らしいと感じることは多くあります。狭い日本国内であっても、地域によって文化や慣習は様々であることは、ケンミンSHOWなどの番組を見ていても明らか。この違いを肌で感じることは旅行のひとつの楽しみでもあります。

しかし、その地の文化慣習は地元民からすると日常になってしまい、それが他県からの来訪者にとって魅力的なものであるという視点を持てていない。これでは、温泉地の魅力をPRすることができなくて当然です。これは温泉地が抱える課題のひとつではないでしょうか?


地元の魅力が日常に埋もれてしまっている

先日別府を訪れた際、あちこちの地面から湧き上がる湯けむりに、「情緒ある風景ですね」と話したところ、「外の人にはそう感じるんだね、私たちのとってはこれが日常だから」。湯量が豊富で”かけ流し”のお風呂であることも、全て日常であって価値に感じることはないそうですが、私からすると温泉自体がまず非日常。豪快に温泉が湧き上がるさまや、捨て湯によって温泉の川が流れていることも、驚きの光景です。

新潟では里山に広がる田園風景が、静岡では目の前にそびえたつ富士山が、長野では満点の星空が、みな日常生活にとけこんでいて、地元にとっては驚きでも感動でもない。でも旅行者には魅力的な旅のコンテンツです。

食も同じ。地元の郷土料理は高価な食材を使用していないかもしれません。日々の食卓で出されるものは、おもてなし料理といえないと思っているかもしれません。しかし、その料理は昔からの歴史や文化、気候などが反映されていて、旅行者にとって興味深いものがたくさんあります。地元の採れたて食材を、昔ながらのやり方で調理し、食文化の背景などを伝えながら提供すれば、それは何よりのおもてなし。

さらには温泉も。温泉ソムリエ家元の遠間さんによると、多くの旅館で温泉の泉質に対する理解がないそうです。その泉質をウリにすれば、もっと旅館や温泉地を魅力に感じてもらえるはず。


地域の魅力をアピールすることが私たちの使命

私たちの使命は、地元の日常に埋もれた魅力を発掘して、旅行者に伝え、その地に行きたいと思ってもらうこと。それには、その地を訪れ、地元の方と対話し、歩き、食べ、つかって感じることが必要です。

それを実践するきっかけとなるひとつの取り組みが、ONSENガストロノミーツーリズムです。今月から温泉ラボのメンバーを中心にウォーキングツアーに参加してもらっています。この取組みは、温泉地を歩き、食べ、つかることでその地の魅力を感じてもらうこと。この考えに共感して参画を決めました。私たちもこの活動を通じて温泉地の魅力を食の観点からアピールしたいと思います。

また、先日新たに100名近い温泉ソムリエがゆこゆこ社内に誕生しました。これでほぼ全社員の名刺に”温泉ソムリエ”と表記されます。これを単なるネタに終わらせず、習得した知識を活用して旅館や温泉地の泉質をもっとアピールしてください。誰もが知っている有名旅館でなくても、泉質はそれに匹敵するくらい高いかもしれません。それをどのように表現するかは、皆さんの腕にかかっています。

地元の”日常”は、温泉旅行の魅力的コンテンツに溢れています。みんなで温泉地の魅力を伝えていきましょう!


あとがき

①別府の共同浴場にはほとんどシャワーが設置されてしないんですね。みなさん浴槽わきに座り込んで、浴槽から汲んだお湯をじゃぶじゃぶ体にかけて石鹸を流しています。さらに、浴槽のふちに座ることはご法度。浴槽のふちは頭を載せる場所、そこにおしりを乗せるとはもってのほか、ということらしい。。。ローカルルールは難しいですね。


②読売新聞の方にジャイアンツ激励会に招待していただきました。そこでなんと今年から三度目の監督に就任した原監督と写真をパチリ!最近はあまり試合を見なくなってしまったので、現役選手よりも監督やコーチ陣に目がいってしまいました。このブログタイトルの”ゆこ愛”は、実は原監督が2002年に初めて監督に就任した際に掲げた”ジャイアンツ愛”からきています。この言葉を使う意味、結構深いんですよ。わかる人には、わかるかな??